VS.サンタ【短編】
ここまでする相手にはもう問答無用である。

さすがに壁をブチ破って侵入というのは予想外ではあるが、まだ僕には打つ手はあるのだ。

パジャマの上着の中へ手を差し込むと、素肌に直接巻いたガンベルトのホルスターから拳銃のベレッタM92Fを抜く。

両手でしっかりとグリップを保持し脇を締め銃口をサンタに向け警告ナシでぶっぱなす。

銃声を轟かせマガジンが空になるまでサンタへ鉛弾を叩き込んだ。

狭い子供部屋である。外す事はあり得ない必中の距離だ。

全弾命中したはずにも関わらずサンタは倒れない。

背中に羽織っていたマントで体を隠すようにしているが……マントに穴が開いていない!

あれはまさか防弾マントなのか!

サンタってヤツはそんな物まで標準装備しているのか!

僕は目を疑った。

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