VS.サンタ【短編】
あれから三十年が経った。

あの日サンタはブチ破った壁から平然と立ち去り、荒れ果てた部屋には僕とプレゼントだけが残された。

疲れ果てた僕はそのまま眠ってしまい、翌朝母に起こされるまで爆睡した。

プレゼントの中身は僕が内心欲しいと思っていた物で今でも大切に保管してある。

そして今日は再びクリスマスの夜である。

今夜僕は息子の枕元にクリスマスプレゼントを届けに行く。

息子はあの日の僕と同様にプレゼントを受け取らない為、我が子ながらとんでもなく凶悪なトラップを張り巡らせているようだが父はいつだってそれを越えていくのだ。

そして容赦なくプレゼントを受け取らせてやる。

そう、あの日の我が父のように。




 ―おわり―


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