VS.サンタ【短編】
無念のKO負けを食らい床に仰向けに転がる僕へサンタが歩み寄ってきた。

トドメを差しにきたのか?

もはや精根尽き果てた僕は無抵抗にサンタを見上げた。

するとヤツはいつの間にかまた持っていた白い袋に手を入れて、中から綺麗に包装され真っ赤なリボンでラッピングされた包みを取り出した。

クリスマスプレゼントである。

ヤツは倒れた僕の頭の横にそれを置きながら耳元で小さく囁いた。

「メリークリスマス」

グゥの音も出ない程の僕の完敗だった。

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