はだかの王子さま
 急に心配になって星羅に詰め寄ったら、長い金髪の彼氏は、キレイにほほ笑んだ。

「姿を変えるくらいなら、なんでもないよ。
 真衣だって自分の手をパーの形に開いたり、グーの形に閉じたり出来るよね?」

「う……うん」

「ゴブリンみたいな、グラウェのアウトラル比重に対して軽い……要は、グラウェを水みたいに考えて、浮きやすい体質の生き物は。
 自分の身だけなら、命を縮めなくても空を飛べるんだよ」

 うう……なんだか良くわかんないけれど、とりあえず。

 星羅や、お父さんが姿を変えるのと。

 ゴブリンさんが、自分だけ浮かぶなら、問題ない、と。

「じゃあ、星羅の炎は?
 ……星羅?」

「あ、うん。
 ……大丈夫だよ」

 身体の変化と、ゴブリンが、空を飛ぶのが大丈夫なように。

 コレも、すぐ平気だよって、言ってくれるのかと思ったのに。

 星羅が、軽く黙った所が、イヤ……なんですけど!

「ソレ、本っ当~~に、後からなんか問題が出て来たり、しないわよね?」

 恥ずかしいのを我慢して、上目使いで星羅を見れば。

 星羅は、ふん、と鼻を鳴らして、自分の髪をかきあげた。

 それだけのことなのに、なんだか妙にセクシーで、エロい。

 ……って、え?

 星羅は、普段、こんな下品なしぐさをしないんです……が。
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