無記名な世界
「………ごめんなさい。
あなたたちについていくのも、悪くないけど……
(顔だけは良さそうだし)
生憎、人を待っているの」
「………いーじゃんオネィサン、待ち人来る気配ないしー」
唇を尖らせて、言う金髪男。
「…ごめんなさい。またの機会に…………」
あくまで営業スマイルを浮かべながら、丁寧に断る。
だが………………、
「………イーこと考えた」
「?」
……ガシッ
「?!」
いきなり腕を掴まれた。