あなたの隣は…(短編集)
「優ちゃん。おはよ。」
朝、家を出ようとしたら、門の前に静が居た。
壁にもたれて、こちらを向いて、笑顔で手を振っている。
「な、なんで居るんだ?」
「一緒に登校しようと思って。ダメだったかな?」
「いや、別にいいけど。どうしたんだ?」
「なんとなくだよ♪さ、行こうよ!」
静は左手であたしの右腕を掴んで歩き出した。
静は、笑っていた。
いや、作り笑いをしていた。
静、何年、静の世話係をしてきたと思っている?すぐにバレるんだぞ、そんな無理してる作り笑い。
でも、あたしは何も言わなかった。…言えなかった。
今の静には、あまり、関わりたくなかった。
けれど、掴まれている部分から熱くなるのは、やっぱりあたしは静が好きだという証拠で…
今日、春斗君に断ろう。
そう決めながら静と一緒に学校の門をくぐった。