僕はショパンに恋をした
「…そうなのか?」

腑に落ちない顔で、俺が聞くと、自信満々で言った。

「そうなんです!」

シオンはくすっと笑った。

きっと、シオンには友達がたくさんいるんだろうな。

俺とは正反対だ。
そう思った。

「僕は、ひさぎと話してて、楽しいよ。」

「…どこが…。」

つまんない奴と言われた事なら、いくらでもある。

考え方が違いすぎるんだと、距離を取る奴ばかりだった。

「ひさぎは、僕と違うところばかりだもん。面白いよ?」

面食らった。

たとえ正反対の正確でも、シオンは面白いと言って受け入れるというのか?

「似たもの同士ばかりが、友達になるわけじゃ、ないでしょう?」

簡単に言ってくれる。

俺の今までのあり方を、スッパリ切ってくれやがった。

「知らないものを、知りたいと思うのと、同じことだと思うよ。『知識は友、友は知識』ってね。」

「…誰の言葉…?」

ふふんと笑い、言った。

「僕のおばあちゃん」
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