僕はショパンに恋をした

凪雲

空は青かった。

名古屋の梅雨は、湿気がきついと思っていたが、今日は風が吹いている。

俺達は名古屋に泊まり、翌日に店に訪れようと、聞いていた開店時間10時に間に合うように、ホテルを出た。

地下鉄を乗り継ぎ、目的の駅に着くと、地上に出た。

地図で確かめたところ、駅からは少しある。

タクシーを拾って乗り込む。

シオンは、流れる景色を見ながら、楽しそうに鼻歌を歌っている。

「…なんの歌?」

「おばあちゃんが教えてくれた歌。」

「へえ…。綺麗なメロディーだな…。」

俺も、窓から見える景色に目をやり、シオンの鼻歌に耳を傾ける。

「お客さん、着きましたよ。その角の店じゃないですね。」

運転手に言われて目をやる。

かなり何本も坂をのぼった、その小高い住宅地に、店はあった。

お金を払い、二人で店の前まで歩く。

開店の10時はすぎている。

やっと会える。

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