僕はショパンに恋をした
『臨時休業』

俺はなんてついてないんだ。

信じられない。

思わずしゃがみこむ。

深い溜め息がでてしまう。

「どんくせぇな、俺って…。」

つぶやくと、シオンはまた、いつものように、言った。

「また、明日来ようよ。」

俺は頭を掻きながら、店の看板を見上げた。

小さな、およそピアノ屋とは思えない店。

木造の落ち着いた雰囲気の、ログハウスみたいだ。

小さく、『朝比奈ピアノリフォーム店』と書いてある。

中が覗けないかと、入口のドアにはめ込まれたステンドグラスに顔を近付けた。

ガチャッ。

扉が勢い良くあいた。

ごっ!とおでこに扉が当たり、俺はのけ反って。2、3歩下がった。

「いてっ…!」

突然の事に驚いて、そして痛みに唸りながら前を見た。

扉を勢い良く開けた本人も、かなり驚いた様子で、俺を見た。
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