総長が求めた光 ~Ⅱ壊れた歯車~【完】
自分のことも、あなたのことも。
自分の事なのに、何もわからない。
お兄ちゃんのことも、ヨウのことだって・・・。
「・・・っ」
あたしは、ゆっくりドアノブを回した。
―――――ガチャリ・・・
部屋の中は薄暗く、一番奥にあるデスクの電灯だけがついている。
見渡す限り、どこにヒサがいるのかわからない。
「ひ、ヒサ・・・・?」
―――――ゴソっ・・・
!?
今、何か動いたような・・・。
な、なに・・・?