総長が求めた光 ~Ⅱ壊れた歯車~【完】
絞り出すような声で話すヨウ。
「姉弟だからわかる"言葉"があるんじゃねぇのかよ!!?」
珍しくヒサが――キレた――
ヒサがヨウの胸ぐらを掴み無理やり立たせる。
砂埃が宙に舞う。
「レナが俺に託した"ありがとう"の中に込められてるもん見つけろよ。」
今にも殴り飛ばしそうな右手と目つき。
その様子をまるで観察するようにジッと見つめる黒サン。
「お前、それでもレナの弟かよ。」
「弟だよ。" "の弟だよ」
なっ!!?
「" "だと?」
「あぁ。そうだよ。」
睨み返すようにヒサの目を見るヨウ。