先輩とあたし【完】


「海藤…お前、ひどいな~遊んでるわけないやろ。俺は前からたな、あ、伊織が好きやったで」この人が笑えばみんなの心が掴まれていく。私もこの笑顔に惹かれた。
「あ、伊織て勝手に呼んだけど…いい?」顔を除きこんでくる先輩。きっと私の顔は真っ赤になっているだろう。

「はい…」私はもじもじしながら先輩に返事をする。
「じゃあ、俺のことも下の名前で呼んで」私はビックリして先輩の顔を見つめる。先輩はきっと呼ばれるのを待ってる。
「俊哉先輩…」恥ずかしくて手で顔を押さえる。

「先輩、こんな伊織ですが何とぞよろしくお願いいたします」亜美が丁寧に挨拶をする。
「いやいや、こちらこそよろしくお願いします」
「いつから私の親になったんだ…」私は苦笑いでその様子を見る。 満里子は亜美の隣でクスクス笑っていた。

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