先輩とあたし【完】

「あ、すみません…気付かなくて…」私は改めて気まずそうに頭を下げた。
「いや、それは全然ええんやけどもな…と、とりあえずその飴ちゃん食べて!!元気出るから!!」
「っていうか私、元気なんですけど…」飴ちゃんの袋を開ける前に先輩に突っ込む。

「そんなんどーでもええやん!!元気はいくらあっても足りひんやろ?」飴ちゃんを食べるようにどーぞどーぞと手を動かしてくる。
私は先輩の顔をじっーと見ながら飴ちゃんの袋を開ける。

「先輩、これ、やっぱり何か入ってますよね!?」私は飴ちゃんを手の中に握りしめて尋ねる。
「はぁ?入ってないわ!!はよ、食え!」私が疑うようなそんな目で先輩を見るもんだから先輩は少し怒った口調で言ってくる。私はその飴ちゃんを口の中に入れた。

「な?何も入っとらんやろ?普通の元気が出る飴ちゃんやもん」私の表情を見ながら笑いながら話す稲森先輩。私はおいしいという思いも込めてゆったり微笑みながら頷いた。

「一人で抱えたりするんやめや。伊織ちゃんにはたくさん味方居るんやからさ」
「え?」私は先輩のその言葉に驚く。どうして…
「なーんて!!昨日読んだ漫画にこんな台詞あってかっこええなー思て言ってみた」くしゃっと笑うせ先輩に引き寄せられた。一瞬だけ、気持ちが。

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