愛玩~夢幻の秘密~
「そういうことだ。今更、郁人ひとりがダダをこねても、どうすることも出来ない。」
冷たい鷹都の声が。
重たい空気の漂う部屋の中に響いた。
あたしも郁人も。
何も言えなかった。
今更、引き返すことも出来ない現実に。
真っ暗な目の前しかなかった。
悲しげな背中を向けながら。
郁人は部屋を出て行った。
あたしは…
現実も何も分かんなくて。
ただ…ぼう然とそこに立ち尽くすのが精一杯だった。