愛玩~夢幻の秘密~

絶対に産みたくなんてない。


父親の子供。


大っ嫌いな鷹都の子供なんか。


勝手に下ろすにしても。


費用…どうしよう?


一日中、そればかり考えてた。


外が暗くなったのも。


時間も分からないくらい。


ジッとベッドの中でうずくまって考えてる。


もしも…鷹都が妊娠を知ったら?


きっと、想像も出来ないくらいの最悪なことが起こりそうで。


嫌な感覚だけが。


脳裏から体中を取り巻いている。


鷹都の愛玩人形として。


もう逃げ道なんてないのに。


妊娠なんて知ったら。


笑って面白がって。


…女の子が産まれたら。

< 300 / 412 >

この作品をシェア

pagetop