愛玩~夢幻の秘密~

きっと、あたしと同じようにされる?


この現実から逃げたい。


逃げ出したい。


行く当てなんてない。


頼る場所もない。


この現実から逃れるのは。


…あたしであることを断ち切るだけ。


カタッとベランダの窓を開けて。


まっすぐ前だけ見て。


ゆっくりと手すりに手をついて。


スッと背伸びした。


「おいっ!!!!」


大きな声と共に。


力強く後ろに引っ張られた。

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