愛玩~夢幻の秘密~

カーテンを少し開けながら、目の前のベランダに差す月明りを見ていた。


「……後悔はしないのか?」


急に耳元に声が聞こえて。


ビクッと体を震わせた。


「こ…後悔?」


視線を背後に向けることもなく。


ただ、耳元の鷹都の声に小さく答えた。


「手放されたかったのだろう?神楽に買ってもらえば良かったものを…」


言葉の最後の小さなため息が、あたしの心にズキリと刺さる。


きっと…
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