傷だらけのシンデレラ

伝わらない



お父さんは、こんなあたしを見るのは初めてなのか

茫然とそこに立っていた。

だけど、あたしは腕に包帯も巻いていたし、

お父さんをずっと避けていたのにあたしの変化に

気付かないわけがない。


「こんな風になったんも、お父さんのせいでもあるんやからな。」


あたしはさらにお父さんに言った。

そしてあたしは勝手に話はじめた。

リストカットをしたきっかけはお父さんにあることや、

存在自体があたしには凶器だということも。

自分でも何を話したか忘れてしまうくらい、

長々と話していた。
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