ハチミツ×シュガー
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「楓、行くぞ」
「ちょっ、ちょっと待って!……痛っ」
慣れない格好をすると、ろくな事がない。
案の定、履き慣れないサンダルのせいで靴擦れをした。
「……そんな格好するからだよ」
小さく溜め息を吐くと、皇は呆れたように私を見下ろす。
「だって…っ」
相変わらず、周りの女子の視線が痛い。
土曜日の午後。少し離れた街の映画館に皇と二人来た。
映画館に向かう途中、食事に向かう道すがら。
どこへ行ってもこの端正な顔をしている兄のお陰で、女子の視線が半端ない。
少しは女子力上げないと、私だってへこむ。
「ここで待ってろ。
コンビニで絆創膏買ってくる」
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