ハチミツ×シュガー





「ん…」



 ゆっくり目を開けると……私の部屋の天井が目に入った。

 あのまま寝ちゃってたんだ。


 皇……まだ帰ってないのかな。


 部屋の時計を見ると、すでに22時。

 私は慌てて部屋の扉を開けた。


「――皇!」
ドンドンッ

 まだ帰ってないなんて……ないよね?

「……皇」


 部屋からは物音一つしない。
 リビングのドアも見るけど、中は暗いまま。



「どこに行ったの…?」



 寂しさがこみ上げてくる。


 両親が亡くなってから一人の夜なんて、無かった。


 いつも……

 いつも皇がいてくれたから。




「――っ……くっ」



 怖い。一人は、怖いのに。




「――楓…?」





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