ハチミツ×シュガー



 チャイムが鳴り、休み時間。



「でさ!もう剛士ってばめちゃくちゃムカつくのよっ!」


 どうやら彼女は昨日彼氏と喧嘩して、モヤモヤして眠れなかったらしい。

 まだ怒りが治まらないのか、般若のような顔になってる。


「あはははっ 佐藤の顔すげー怖い!」

 斉藤くんがいつもの爽やかな笑顔で真弓に毒ツく。


「なんですってぇ?!」

 真弓はさらに怖い顔で彼を睨んだ。


「如月も怖がってるぞ!」

「ええっ!」

 まさかの私?!


 今まで斉藤くんに向けてた目を私に向ける。

 いやいやいや!本当に怖いからっ


「真弓、私は、全然っ」

 言ってる時、不意に、視線を感じた。



「――楓?」


 突然私がキョロキョロしたからか、真弓が不思議そうな顔で私の顔を見てきた。



「……ごめん。気のせい…」

 ――っ


 じゃ、なかった。



 岬さんが、すごい顔で私を睨んでいた。



< 227 / 771 >

この作品をシェア

pagetop