ハチミツ×シュガー





 沈黙が怖い。



 彼は何かを考えるように、一点をずっと見つめてる。

 ……もしかしたら、何も見てないのかもしれないけど。




「西城くん…?」



 勇気を振り絞った。

 これ以上はないほどに。



 ――でも。

 彼は、気付かない。




カタッ


 隣に行こうと椅子を引いた瞬間。


 彼は勢い良く私の方へ目を向けた。

 目を見開いて。




「――あ……わりぃー」


 俯く彼の隣に、私は向かう。




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