ハチミツ×シュガー




 ……誰なのか?



「――俺を好きか?」


「……好き、だよ?」「じゃあ、如月 皇は?」



 西城くんの表情は読み取れない。
 なぜ今皇の名前を彼が出したのか、分からない。


「皇は……私の大切な」
「“キョウダイ”だから……“好き”なのか?」


 西城くんは鼻で笑いながら、私を鋭い瞳で見下ろす。



「“キョウダイ”だから……

 ――違うだろ?
 アイツとお前は」「ちょっ ちょっと待って!」


 話が読めない。


 私と皇に何かあると思ってる。

 ――西城くんまで?



「何で?西城くん、意味が分からないよっ」


 私は彼の腕を掴んだ。

 ――誤解されたくなかったから。
 私の話はまだ、始まってもいない。



 ……なのに……



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