ハチミツ×シュガー


 ――思えば。

 あそこで声をかけたのが
 そもそもの間違いだったんだ。


―――――…
―――――――……


カチャ…

「どうぞ入って?」


 部屋の電気をつけてカーテンを閉める。


「お邪魔します…」


 戸惑いながらも、律儀に挨拶しながら部屋に入ってきた彼。



「ね、ご飯食べる?
 適当に作っちゃうけどいい?」


 私はキッチンに立って腰近くまである髪をシュシュで纏めながら聞いた。
 すると、


「――俺が作るよ」


 そう言いながら、ここに来る途中に寄ったスーパーの買い物袋から色々取り出し始めた。


 ……男の子って料理出来るの?

 私がジャガイモを洗い始めた彼を見上げると、横目で睨まれた。



「邪魔なんだけど」



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