ハチミツ×シュガー



 ――もう、本当にどうしようもない。




 鍵を開けて扉を開けると、すぐさま彼女の腕を掴んで中に入った。
 彼女の口から小さな悲鳴が聞こえたけど、聞こえないフリをする。





「…ん……っ」



 本当にコイツは…。


 俺のイトを、いとも簡単に断ち切るんだ。



「か…な、た… んっ」



 真っ赤な顔で、息苦しそうに必死になってる彼女を見ていると、なぜか満たされる。




 どうか、

 そのままもがいていて。


 俺の中で、

 酸素を求める人魚のように……




 俺がいないと


 生きていけないくらいに――…




< 646 / 771 >

この作品をシェア

pagetop