ハチミツ×シュガー



「……斉藤くん…」


 『どうしたの?』と聞こうと席を立った、その時。



「―――…っ」


クラ…ッ


「っ楓……っ!」
「如月!?」



 頭がクラクラして、目の前が真っ白になる。




「楓!」「おいっ如月!」



 真弓と斉藤くんの声が、だんだん遠くなっていく。




「だ…いじょ――」








 『大丈夫』だと、


 最後まで言えなかった。




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