ハチミツ×シュガー




「………どうしよ。 ドキドキする」

「なんで洋子が」

「うるさいな!

 男には分かんないの!」



 車で移動中、ずっとこんな調子の洋子に、俺は笑いが出てくる。



「……笑わないでよね…っ」


 横目で睨みつける愛しい君に、俺は何度も恋をする。



「洋子」

「……何よ」

「愛してるよ」

「………っ!!」



 ……ほら。何も言えなくなった。



「……バカにして…っ」


 悔しそうに、でも恥ずかしいのか顔を赤める彼女に、心から愛しいと思う。




 ―――目的地は、すぐそこだ。



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