ハチミツ×シュガー




「次は、あなたの番だよ」


 言って、俺を抱きしめた。




「……皇ちゃん、私は幸せだよ。

 一生、死ぬまでそばにいたいと思える人が、私には二人もいるんだから……」


 ―――どうして。


「あなたと過ごした時間は、私にとって、暖かな……日溜まりに包まれているような優しい時間でした。

 ありがとう」



 ―――どうして。

 俺が泣くんだ?







 優しい花の香り。


 俺を小さな体いっぱいで抱き締める彼女を、優しく抱き締めた。





「愛してるよ」

「私も……愛してる」



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