ハチミツ×シュガー




「本当に、そう思ってた。

 子供の頃からいつも私を守ってくれて、愛してくれて……本当に、大切だったの」



 零れ落ちそうな涙。


 拭う手のを躊躇してしまうほどの、キレイな雫。




「でも……彼に逢って、私の世界は色付いた。

 皇を縛っていたのは私の弱い心だったんだって、やっと気付けたの」


 そう言って、可愛い笑顔を見せた。




「……楓、俺は…」

「皇……私は皇が私を想ってくれるように、あなたの幸せを願ってるよ」


 真っ直ぐに俺を見つめる彼女の瞳には、もう、雫は無かった。



「彼方を愛してる。

 それと同じように、あなたを愛してる。

 だから……

 どうか、幸せに」




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