ハチミツ×シュガー



 それから、皇が早退して一緒に帰る事になったので、学ランは保険の先生が返してくれると言ってくれた。


 正直、彼にどんな顔で会えばいいのか分からなかったから、ホッとしてしまった。






「楓、大丈夫か?」


「……うん。
 ちょっとしんどいかも…」





 ……違う。




 具合の悪さより、


 西城くんの事が気になって仕方ない。





 この気持ちの名前、


 ……分かりますか?








 帰って熱を計ると38℃。


 倒れるように自分のベッドに落ちると、そのまま意識を飛ばしていた――…。



< 77 / 771 >

この作品をシェア

pagetop