Only One
◆順風満帆のその先に

ひだまりの中で




それから5日後――…


『芹那っ、準備はいい!?』

「う、うんっ…!」


店長に返事をする、あの日がやってきた。


『芹那ちゃん、大丈夫?無理してない?』

「郁人さん――」

『兄貴っ、芹那はウチら探偵に任せて、早く仕事に行って来い!』

『ちょっ、智愛!』


朝から、藤咲家は大変です。


『ちょっとくらい芹那ちゃんと話くらいさせろって!』

『え~!?』

「あの…2人とも…。」


いつものように、本人を置いての兄妹ゲンカが始まる。

もうっ…しょうがないなぁ!!


「落ち着いてくださいっ、郁人さんも智愛ちゃんも!」

『『………。』』


私が大きな声を出して、やっと静かになる2人。










< 122 / 212 >

この作品をシェア

pagetop