【短】スノウ*グリッター


 *


いつの間に朝になったんだろう。制服のまま、ベッドにダイブしてから記憶がない。

「………」


アドレスもケー番も消すべきものは全部消した。


でも心の中にある存在はとてつもなく大きくて、消せなかった。


すぐに走って行ったもんだから、宙からはメールも電話も半端なかった。でも出られなかった。


「バカみたい……」


あの時のキスも思い出すだけで涙しか出て来なくて、あたしはまた毛布に潜った。



side*宙


電話もメールも来ない。仕舞いには着信拒否されているみたいだ、俺。


気晴らしにコンビニにでも行ってみたけど目につくのはハーゲンダッツの抹茶とか極細ポッキーとか、


「愛加の好きなモンばっか…」


俺は苦笑しながら、クリスマスムードの街を抜けた。


明日、クリスマスイブか――


< 11 / 19 >

この作品をシェア

pagetop