規則の守護者
脱走の禁止くらい、「町」の住人なら誰でも知っている。


「いけないと、知っていたんでしょう?

なら、どうして破ったのよ」


罪悪感は感じない。
ただ、悲しかった。

瑞緒だって、好きで撃っているわけではない。

血だって、見ずに済めばそれが1番だと思っていた。


では、なぜ撃つのか。

その理由は単純。

ただ単に、違反をなくしたかったのだ。

それだけだった。


だから、瑞緒は引き金を引く。


それなのに。

瑞緒の背にぶつけられた、この声は何なのだろう。


「どうして妹を撃ったんだ!
どうして!
……どうして……」


違反をしたから。

そんなこと、分かりきっているはずなのに。



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