規則の守護者
疲れたのか、詰め所の机へ突っ伏す瑞緒。

茜は椅子に腰掛けて、思い付きのように、瑞緒へ尋ねた。


「あの。

高井さんは……どうして、監視者になろうとしたんですか」


瑞緒はむくりと顔を上げると、短く答える。


「決まりを守れるから」


それきり、黙りこんでしまう。


「……それだけ、ですか?」


茜が問うと、瑞緒は深くうなずいた。


「考えてもみなさいよ。
この世に、決まりを全て守っている人がどれだけいるかしら。

『決まりは破って当たり前』……そう考える人が多すぎる。


変だと思わない?

破ってはいけないから規則になったのに、いつの間にか、破られても仕方のないものになっているの。

私は、それに納得できなかった。

だから、決まりを守る仕事に就いたのよ」


瑞緒はそう語ると、眠気を飛ばすように目をこすった。



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