空の君へ〜命をみつめた真実のラブストーリー〜
「由美~」
「亮! …陽くん……」
亮くんと呼ばれた男の子のうしろにいたもうひとりの男の子……。
由美が少し小さい声で名前を呼んだのは“陽くん”。
少し、由美の表情が曇っている感じがする。
気のせいかもしれないけれど……。
“亮”と呼ばれた人の隣にいるのは、同じ制服の男の子。
初めて見たけど、すごく端正な顔の男の子だった。
「ごめん! 遅れに遅れまくった!」
「り、亮! 遅いよ?」
「由美のうしろの女の子は?」
「この子は、絢だよ! かわいいでしょ?」
「すげー。かわいいじゃん」
「絢は颯太がねらってるからダメだよ~」
「そうなん? 颯太」
由美が颯太くんの名前を出した。
急に話を振られて焦っている颯太くん。
「俺? 由美!急に話振んなよ!」
「颯太? 違った?」
「や、由美。違わないけどさ……」
由美は颯太くんに話を振っておきながら、
もう颯太くんを放置し始めた。
切り替えが早い……。