空の君へ〜命をみつめた真実のラブストーリー〜


「由美! 久々!」


「お! お前が女の子の友だち連れてくるなんて、初めてじゃん」







カラオケ店の前で男の子がふたり。
由美のことを待っていた。他校の制服の男の子。


あたしは、由美にしがみついて後ろに隠れた。

優以外の男の子と、あまりかかわらないあたしはどうすればいいかわからない……。







「絢? 大丈夫だよ。自己紹介しな?」


「和泉絢です……」


「絢ちゃん。よろしくね。俺、松崎光輝」


「俺は、山川颯太。よろしくね」







光輝くんと、颯太くん。
なんか爽やかでかっこいい。







「入学式の日、駅でナンパされたんだ~」


「えっ!? ナンパ?」







ナンパって……と驚いているあたしをよそに、由美は光輝くんと颯太くんと話している。








「亮はまだ?」


「あぁ……。亮はもうすぐだと思う」







光輝くんは、由美と話している。
なんか……お似合いだなぁ。







「俺と光輝はサッカー部。絢ちゃん、部活は?」


「あたしは……陸上やってたんだけど、やめちゃった……」


「なんで?」


「半月板損傷と靱帯損傷。練習でずっと痛かったのに無理したせい。手術すればよかったんだけどね」


「ごめん。聞いちゃって」


「颯太くんが悪いわけじゃないから、謝らないで」







颯太くんは聞いたことを申し訳なさそうに謝ってくる。

あたしたちがカラオケ店の前で話し込んでいると、
しばらくして前方から男の子が由美の名前を呼んで向かってきた。







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