空の君へ〜命をみつめた真実のラブストーリー〜
傷つけられたって
なんだってあたしは陽が好き……
想い出に時間なんて関係ないから。
「優……。ありがとう」
「なんか、俺ってたまにくさいセリフ吐くよなぁ」
「そうだね」
気楽なのかもしれない
優といると、すぐに笑顔になれる。
それが優のチカラ
「大丈夫 絶対忘れられるから。 想いはいつか風化する」
「何年かかるのかなぁ」
「そんなにかかんないって」
まるで息をするように気楽なんだ
落ち着く香り
声
言葉
鼓動
息遣い
陽のときはいつもあたしの心臓はうるさかった
それがようやく落ち着いてきたのかもしれない
健全な道
「俺にしとく?」
「なにが?」
「俺を利用してみねぇ?」
突然の優の言葉
利用―――……
陽を忘れるため?
こんなに優しい人を利用して傷つけるなんて絶対にしたくない
けれど、あたしの心は揺れ動いていた