空の君へ〜命をみつめた真実のラブストーリー〜
クラスは1組。周りは眼鏡の人だらけ。
ひとりだけあたしと同じような女の子がいたけど、まだ話したことはない。
クラスについてもうひとつ付け加えると、
このクラスはどこのクラスよりも地味。
理由なんて簡単。
クラスに顔よし、頭よし、運動神経よし、性格よしの4C揃いの人があまりいないから。
4C揃いの人がたくさんいるのは3組。
だから3組には……
学年の派手な2割の人が、休み時間や昼休み、放課後にたくさん集まっている。
学校の紹介はこんなところ。
そして今は放課後。
クラスにひとりでいることの多いあたしは、先生によくノート回収やプリントの配布を頼まれる。
今日もノート回収を頼まれ、放課後の教室で回収したノートを出席番号順に並べ替えているときだった。
「和泉さん?」
「水崎さん?」
水崎由美さん。
同じクラスで、黒髪の少し巻いた長い髪が印象的な美人さん。
唯一、あたしと同じように派手なグループに入る子だ。
「よかった……知っててくれたんだ?」
「うん! クラスで美人な子がいるなって思って」
「そんなことないよ! あたし、和泉さんと話してみたいと思ってたんだけど、なかなか話しかけられなくて……」
そこまで話したところで、あたしたちはとくに話すことがなくて会話がすぐに途切れてしまった。
あたしが作業を続けていると……
水崎さんは何も言わず、あたしの作業を手伝ってくれた。
そして、しばらくして……「由美って呼んで」と、照れくさそうに言った。
あたしは笑顔になって、それに応えた。
「絢って呼んでね」
それをきっかけに、同じクラスの由美とは仲よくなった。