子猫が初恋提供します。




「…にあ、あんたひどい顔。」



蓮は眉間にしわを寄せてあたしをじろりと睨みつけた。



へっ?とポカンとマヌケな返事を返すより早く



――――ビシ…ッ!!



「……!?…いったぁっ!!?」



蓮のでこぴんがビシリ!とあたしの額を直撃した。



「~~~なにすんのーーーっ!?」



あたしは涙目でおでこをさすりながら蓮を見上げた。



「このバカ子がっ!!…ぼんやりする暇あんならとっとと聞きたいこと聞きなさいよね!」



「……っ!!」



うじうじしてんじゃないわよ!…そう言って蓮はフンッと不機嫌そうにそっぽを向いた。



「……っ。…い、痛いじゃん…っ。」



じんわり浮かぶ涙を…でこぴんのせいにした。



「当たり前よ。痛くしたの。

…初めての恋で戸惑うのもわかるけど、うじうじなんかにあらしくないわよ。

あんたの取り柄は素直でバカ元気だけなんだから。」



「……バカ元気…。」



なんで元気にバカがつくのさ……?



微妙に褒められた気のしない蓮の言葉…。



でも



蓮の優しさは、痛いくらいに伝わってきた。






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