背後の彼
「あの、本当に

占いではないから
勿論お金は頂きませんし。

二、三、お話ししたい事があるだけで」

「ではここで話して下さい」


何か買わされそうになっても
同僚と2人なら心強い。

きっと上手く断れるだろう。

「いえ、その……
怪しい誘い方でごめんなさいね。
ただ、プライバシーにも関わる事なので」

「構いません。
ここで仰って下さい」


気が付くと、支払いを終えた同僚が
一体何事かといった表情で私達2人の顔を見比べている。


占い師はどうやら
私が意地でもここを動かないつもりである事を
悟ったらしかった。
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