背後の彼
やっぱり。
私の不安は的中した。


きっと私1人をあの部屋へ連れて行って

このままでは結婚出来ないとか

親の死に目に会えないとか

適当に脅して


高い壺かパワーストーンか知らないが
そんなものを買わせようというのだろう。


私のような

あまり幸せそうでない
地味な女性は

絶好のカモだと思われているに違いない。


「結構です」

私はきっぱりとそう言った。
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