背後の彼
同僚はそれっきり
沈痛な面持ちでコーヒーを啜っていたが

やがて「じゃあさ」と言って
私の耳元に顔を近付けた。

「お祓いとか、した方いいんじゃない?」

「お祓い?」

「うん。

……いや、その彼氏の事
悪く言うわけじゃないんだけど。

ほら、次の恋愛の邪魔もしてるって
あの占い師さんも言ってたじゃん」
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