罪線

過去を経て、今に至る。

「……ってワケ。しかし、あのオッサンも馬鹿よねぇ……妻子ある身で、キャバ嬢に本気になるなんてさ」


「その後、宮内さんが疑われる事はなかったんですか?」


「アタシも疑われると思ったわ。でもそのオッサンね、アタシの名前を一切出さなかったみたい。次の日のニュースで、些細な事から喧嘩になってって言ってたわ」


「……余程、宮内さんを愛してたんでしょうね」


「さぁ?そこら辺はよく解らないけど、後で聞いた話だと、獄中で自殺したらしいよ」


「……女って怖いですね……」


「そうね」


ブゥゥゥン……ブゥゥゥン……


「あら?γからだわ。いつの間にかこんな時間になってたのね!じゃ、買い物してくるからいい子にしててね!」


「……はい……」



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