罪線

平岡の場合

……定刻、17:00pm……

αからメールを受けると、僕は手早く買い物を終わらせ、数時間前に悔しい思いをしたゲーセンに向かった。


「アイツ……まだいるかな……?」


僕は周りを見渡したが、姿が見当たらない。

それもそのはず。

あれから4時間以上が経過しているんだ。未だに居る訳がない。


「おぉ!いらっしゃい」


ちょっとした顔見知りである男性店員が、僕に明るく声を掛ける。


「どうも……」


「どうしたの?元気ないねぇ?」


元々テンションの浮き沈みが激しくない僕だが、傍目からでもイラついているのが判ったのだろう。


「あそこで格ゲーやってた中学生……知りません?」


「中学生?……あぁ、ついさっき帰った奴かな?ありゃ相当なモンだね。かなり乱入されてたけど、全部退けてた……まさか……」


「はい。今日負けたんですよ」


本当はこんな事、口にするのも嫌だが、口に出さずに閉じ込めて置くと、頭がおかしくなってしまいそうだ。


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