罪線
コンビニから歩いて15分程の所にあるゲーセン。

高校の時からここにはよく世話になっている。学校をサボった日はここで過ごす事もしょっちゅうだった。

高校を卒業してから三年。未だに仕事もせず、こうして来ているとは……我ながら情けなくなる。

ま、仕事をしなくても収入が有り、尚且つ時間があれば、誰だって一番やりたい事をやる。

僕の行動こそ人間の真理そのものだろう。

僕は店に入ってすぐ目に止まった格闘ゲームに座る事にした。

このゲームのエンディングを見る為に必要な時間は約40分。

歩いて帰る事を考えればちょうどいいくらいだ。

僕はおもむろに女性キャラを選ぶと、30分から35分程で当たり前の様にラスボスに辿り着いた。

「予定通り……」

が、そこで嫌な音が鳴り響く。

乱入だ。

どうやら先程からうろついていた中学生らしい。

「生意気だな」

冷静にそう呟いたのとは裏腹、僕の頭の中はクラッシュ寸前だった。

ことゲームに於いては"完璧"を望む僕にとって、それを邪魔される事は、不愉快でしょうがない。

「万死に値するよ」


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