罪線
乱入してきた中学生は、慣れた手つきで体格のいい男キャラを選んだ。

相当やり込んでいる事がよくわかる。

イライラしていた僕は、コンビニで買ったアーモンドチョコレートに手を付け、口に含んだ。

「ふぅ……」

やはりこういう時は甘い物がいい。心なしか、イラついた気持ちが少し落ち着いた様だ。

しかし、折角落ち着かせた気持ちも、ほんの数秒で歪まされる事となる。

ゲームはすぐに始まったのだが、相手は一向に攻撃を仕掛けてこない。

それどころか、キャラを前後させて挑発してくるばかり。

「ダメだ……出たらやられる」

解ってはいたのだが、触発された僕は痺れを切らし、自ら攻撃を仕掛ける。

すると当然の様に相手からカウンターを貰う。

そうなれば完全に相手のペースで、僕は成す術なく敗れた。

「ハァ……ハァ……ぐぅッ!」

"ゲームで負けた"その悔しさとイラ立ちで呼吸が荒くなる。


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