誰よりも愛する君へ

「薫を・・・薫を裏切ることなんてできへんよ」

「恋に裏切りは付きもんやで」

捺くんもいつの間にか泣いていた。

「薫は・・・薫はアタシを愛してくれてるもん」

「気持ちは優斗だって同じやろ!」

「お願いや。ハル。優斗を救えるのはハルだけなんよ。優斗・・・このままやと・・・」

静かな沈黙にアタシは生唾を飲む。



ピンっと張り詰めた空間に静かに響く捺くんの声。
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