誰よりも愛する君へ
「あいつさ、俺がハルと同じように美加のことで悩んでた時、『ぐずぐずすんなや時間は待ってくれへんのや!』て俺に言ったんや」

「・・・・・・。」


「あいつ・・自分がどんな苦労しとっても絶対、人に弱みなんか見せんでな・・・いっつも人のこと一番に考えてやれるいい奴なんよ」


捺くんはゆっくりと言葉を選びながら話して行く。


「ハルをフッたのも自分の病気のことハルが知って、ハルが苦しむとあかんて思て・・・。ハルと初めて会った日な、あいつ『ヤバイハルに惚れた!!』なんてメールよこしたん」


「自分の気持ち押し殺して・・・ハルをフッたんよ!」


アタシの頬にはいつの間にか涙が伝っていた。


「ハルは・・・今の彼氏が好きか?・・・・・・もういっぺんよう考えてや」
< 70 / 96 >

この作品をシェア

pagetop