せーの、で忘れてね
あたしは野口を1枚ひらひらと返そうとするが、住吉は受け取らない。
「こんな高額利子つけるとこなんてないよ、ヤメてよ住吉」
「じゃー1000円は、俺からのお年玉ってコトで」
住吉はあたしがさっき受け取った2000円を無理やりあたしのポケットに入れるので
まあとりあえず、ありがたく受け取っておくことにした。
「もー、3年だってね、俺らも。 あっという間」
鼻を赤くした住吉が言う。
「中学生のときは高校に入るのが怖くて、高校生のときは大学に入るのが怖かったけど、意外とさーっと過ぎていっちゃうんだもんな」
「そうだよ。 人生で一度の晴れ舞台の成人式も、もうすぐそこだよ。 ホント、あっという間」
「あっ成人式さ。 迎えに行こうか? 車で」