Come back !! じいちゃん
ガレリオの人形
そうじいちゃんに引っ張られ、僕は玄関にやってきた。
途中、父さんと母さんにすれ違ったけどじいちゃんの姿は見えていないみたいだった。
 
「ねぇ、じいちゃん。」
 
「何じゃ?陽一。」
 
「じいちゃんって僕以外の人には見えないの?」
 
「らしいのう。」
 
そりゃそうか。
でも、死んだ人が見えるのなら
世の中悲しむ人が減るんだろうな。
 
「みゃ~?」
 
「おぉ!ミリー。いい子じゃ、いい子じゃ!陽一に人形の場所を教えてくれて。しかし残念じゃのう。もうお前さんを抱けんぞい。」
 
ミリーはじいちゃんの方を眺め懐かしそうな顔を見せる。
 
「ねぇ。なんで、僕には見えるの?」
 
「なんじゃ~。そんなにわしといるのが嫌なんか?」
 
「嫌って言うか。何で僕には見えるのかなって。」
 
「それはな。」
 
じいちゃんが真剣な顔してる。
 
それは?
 
「愛じゃよ。」
 
愛?
 
「本当に?」
 
「嘘じゃけどな。」
 
「…。」
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